宅ふぁいる便はしばしば東京ガスのサービスだと間違われますが、本当は大阪ガスが社内で作り上げた社内用システムが始まりなのです。
東京ガスではなく、大阪ガスが一般公開した宅ふぁいる便は、その後関連会社のエルネットへと引き継がれ、今でも無料でサービスが利用できます。
なぜ東京ガスと大阪ガスが間違われたのかは良くわかりませんが、ユーザーの半数以上が首都圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)にいることが原因かもしれません。
「宅ふぁいる便って、ガス会社がやってるらしいよ。」
こんな話が広がると、ガス会社=東京ガスに変わっていった可能性が考えられます。
東京ガスと大阪ガスには、ちょっとした面白い共通点があります。
ガスを販売・供給しているのは当たり前として、例えばJリーグに目を向けてみると、どちらもJ1のチームに関係しているのです。
東京ガスは自社チームを母体としてFC東京を設立し、筆頭株主としてチームをバックアップしています。
宅ふぁいる便の大阪ガスは、大阪の強豪ガンバ大阪の株主です。筆頭株主は松下電器ですが、地域密着のチームとして関西電力やJR西日本と共に10%の株をそれぞれ保有しています。
東京ガスは宅ふぁいる便には関係ありませんが、どちらもJリーグには貢献しているのですね。
宅ふぁいる便のルーツは大阪ガスの社内システムです。
社内や大学、研究所間などの大容量ファイルを、何とか安全確実にインターネット上でやりとりできないかと考え出されたシステムがルーツです。
自社内で使っていたのですからもちろん利用料は無料ですが、社内外でこのシステムが評判となり、「一般公開して欲しい」という声に押されて宅ふぁいる便として一般公開されました。
社内では有料化の声もありましたが、結局は無料公開するということになり、1999年に大阪ガスより無料で公開されました。
その後2005年に関連会社のエルネットへ宅ふぁいる便事業は移され、無料サービスとして継続されたのです。
それでは、宅ふぁいる便の無料サービスはいつまで続くのでしょうか。
2006年に30万人だった無料会員は、2007年10月現在で90万人を超えています。
宅ふぁいる便の収益は無料会員からではなく(無料ですからね)、宅ふぁいる便の会員数を狙った企業からの広告収入です。
ですから、宅ふぁいる便に広告が入らなくなると、宅ふぁいる便事業はつぶれてしまいます。無料が有料になる日もくるかもしれません。
ただ、90万人以上のフリーメールアドレスではない無料会員リストは、広告主にとっても大変欲しいリスト(アドレス)です。
広告を打つ対象としては非常に効果の高いリストでもあるので、当面は広告収入で困ることはないと思います。
宅ふぁいる便はいつまでも無料で利用したいですね。
宅ふぁいる便のユーザーは75%がビジネスユースです。
ということは、オフィスで利用している方が多いということです。
自宅で使う時は、パソコンやインターネット、セキュリティの設定も自分で行うわけですし、現在の設定状況も知っているはずです。
ところが、オフィスで宅ふぁいる便を利用する場合は、オフィスのパソコンやインターネット環境などを知らない人が多いので、トラブルになることがあります。
まず、オフィスによってはインターネット回線の関係で、ファイルの送受信の容量を制限しているところがあります。
また、会社の規約上でファイルをネット上で送受信することを禁止している会社もありますし、セキュリティソフトによって宅ふぁいる便のようなサービスが使えないというオフィスもたくさんあります。
オフィス宅ふぁいる便を導入している会社であれば、特に問題なくそちらを利用すれば良いですし、逆にその他のサービスを利用することは禁じられているはずです。
宅ふぁいる便をオフィスで初めて使う際には、インターネットやセキュリティなどの管理者に相談し、許可を得てから使うようにしてください。そうしないとオフィス全体のネットワークがパンクする可能性もありますので気をつけてください。